オジサンが「スイーツ」好きでもいいじゃないか! ー 今柊二「スイーツ放浪記」

2020年1月5日日曜日

今柊ニ

t f B! P L

「定食評論家」として名高い今柊二氏なのだが、お酒のほうはあまり量がいけるほうではなく、実は、甘いものに目がないというのは、定食本の隅に載っていることはあるのだが、ここまで公になって、しかも、「スイーツ」の特集本まで編まれるのは筆者にしては珍しいことであろう。


本書の冒頭によると


実は酒よりも甘いものがたべたい、もしくは酒も好きだがスイーツだって好きだという、私と同様に甘いものを食べたいおっさんのための救済の一冊になれば成功だと思う次第


ということなので、最近、街中は我が者顔に歩く「スイーツ女子」や「スイーツ男子」ではなく、今まで酒呑みたちの陰で悲哀を囲っていた「スイーツ中高年」のための「スイーツ本」が本書『今柊二「スイーツ放浪記」(中公新書ラクレ)』である。


【構成と注目ポイント】


構成は


第1章 スイーツ歴史探訪と分析

 その1 スィーツの種類を分析する

 その2 日本のスイーツのルーツを知る

 その3 難易度別、おいしいスイーツスポット

第2章 スイーツ激戦区、首都圏をめぐる<洋菓子編>

 その1 正統派老舗パーラー四天王にチャレンジする

 その2 「喫茶店スイーツ」と「洋菓子店スイーツ」のシアワセ

第3章 スイーツ激戦区、首都圏をめぐる<和菓子編>

 その1 東京老舗甘味名店の旅

 その2 地元の人に愛される名店の旅

第4章 気軽に楽しめる!食事処でスイーツ

 その1 「アフター洋食スイーツで」ウキウキ

 その2 忘れてはいけない「中華スイーツ」

 その3 安心の味!「ファミレス・ファストフードのスイーツ」

 その4 「パン・ドーナツ・アイスクリーム屋」でもスイーツ!

第5章 みんなが笑顔になる!お土産スイーツ

 和菓子編

  その1 有名店<全国区・多店舗タイプ>のお土産

  その2 街のすてきな和菓子屋さん

  その3 東と西を代表する私的2大お土産スイーツ

 洋菓子編

  その1 デパートで買った定番お土産スイーツ

第6章 日本スイーツ紀行

 東日本編

  その1 北海道で「ソフトクリーム紀行」

  その2 北国を代表するスイーツたち

 西日本編

  その1 関西三都でスイーツ三昧

  その2 愛媛で懐かしのスイーツ探訪

  その3 南の地・長崎でもスイーツバンザイ

あとがきにかえてー過去とつながる今と未来のスイーツ


となっていて、第一章が筆者の他の「定食本」と同じスタイルで、「スイーツ」の日本歴史。第2章〜第4章までが東京・神奈川を中心としたスイーツの名店食べ歩き、第6章が東京圏以外の各地のスイーツという構成なのだが、「お持ち帰り」「お土産」編がある(第5章)なのが、他の「定食本」と違う特色ですね。


で、その食べ歩きは、東京の老舗のフルーツパーラー四天王に始まり、


食事をたっぷりとった後のレストランでの甘味に続いて、伝統の味を出す老舗甘味処といった具合で、「スイーツ」が登場する舞台「勢揃い」といった感じ。


その様子は例えば、渋谷の西村フルーツパーラーの


味がとても濃く、日に入れた瞬間、一う―ん、うまい」と眩いてしまう。


バニラも爽やかで、これはステキな味わい。さらにチョコソースとアイスが次第に混ざり合って、深く濃く爽やかな味わいになっていく。アイスの上にはナッツとフレークがかかっていて、これも歯触りが楽しい。そして中を掘っていくと、輸切りのバナナが入っているのがわかる。さらに深くいくとパフの層となり、これまた食感がサクサクしておもしろい。いやあ、食べ続けていると、バニラ、チョコ、バナナの甘さで、体全体が満たされていき、とてもシアワセな気持ちになる。


というバナナチョコパフェや東京・新橋の「カフェテラス・ポンヌフ」で


では、まずはハンバーグからいただこう。


おお、ナイフでハンバーグに切れ目を入れると中からフワツ~と湯気が出てくる。タマネギのシャキシャキと肉々しさのバランスが素晴らしい。


うまいよ~。パンにはさんで食べようとパンを開くと、切れ日にはパターがトロリー 私はバターバンが大好きなので、まずはそのままで食べると、ホカホカバンでこれまたおいしい。このまま食べていきたいが、やはリハンバーグをはさんで食べよう。……うう、当然これもおいしいな。続けてスパ。これがねっとリケチャツプ太麺もちもちスパ。


私の心にズトンと大砲を撃ち込むような一熱い」スパ。こりゃもうたまらんな。口の周りがケチャツプだらけになるがかまわないと思い、もりもり食べる。やはりこれもパンにはさんじゃおう。いやあ、このパンは偉大すぎる存在だ。


と「ボンヌフバーグ」のセットをランチで頼んだ後


ではプリン。主張は強くなくおだやかなプリン。まるで楽しい昼間が終わった夕方のような味わい。沈む夕日を見ているようで涙が出てきそうだ。


もうあんまリシアワセすぎて。その涙をこらえるべくアイスコーヒーを再び飲んだのであった。


といった感じで、様々なシチュエーションでのスイーツ三昧で、これは酒呑みでも思わず追加注文してしまいそうな感じですね。さらには、東京・神田の「天野屋」の


お茶をひと口飲んでから甘酒を。甘さがじわりとくるなあ。甘酒って、飲んだ後の余韻がくい~んとゆつたりやつてくる。しばらくじっとしていると体中に染み通る。ああ、おいしい。今日はこのあと大変に忙しいのだけれど、ここで気持ちがゆつたりできて良かった。


といった感じになると、時代小説片手に「ゆったり」したい気分になってきますね。


このほか、北海道や愛媛、長崎のスイーツなど、東京だけでないその地域の特色豊かな「スイーツ」の登場も嬉しいところであります。


【レビュアーから一言】


そうはいっても、酒呑みの「オジサン」には、スイーツの店っていうのはとにかく敷居が高いもので、酒をしこたま呑んだ後に体に染み渡るスイーツの旨さというのは憧れにちかい。そんな「オジサン」向けに本書では難易度別にスイーツスポットが類型化されていて、それによると


レベル1 もっとも気軽の堪能できる「お土産スイーツ」

レベル2 入店しやすい

     「コンビニ」「ファストフード」「お菓子の安売り店」

レベル3 食事と一緒に注文!

     「喫茶店」「ファミレス」「アフター洋食」

レベル4 一度足を踏み入れたらパラダイス「甘味処」

レベル5 家族と一緒に「アイスクリームショップ」

レベル6 まさに最上階のスイーツ道!

     「パーラーでパフェ」


といったようなので、個々人の「勇気」に応じてチャレンジしてみてくださいな。


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プロフィール

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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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