星野知子 「トイレのない旅」(講談社文庫)
実際の旅は1992年頃の星野知子さんの旅本
赴くところは、ペルー、シベリア、中国雲南省
美人の女優さんに似合わず行く場所は、かなりハードである。
おまけに、ペルーは日本人殺害などテロが頻発している時期だし、シベリアはペレストロイカの失敗が、見えかけた時期で物資などが不足しがちの上に社会主義特有の無愛想さが健在な頃。雲南省は政情不安とはいえないが、世界になだたる田舎である。
とはいいながら、かなり楽しく旅をしてしまうのが、この人の特技だろうか?
ペルーでは現地の風呂に入ったり、クイといった野ねずみを食べて結構旨いと感じたり、シベリアではツンドラの永久凍土の上で鮭料理をふるまったり、同行のロシア人の幼い娘たちと野いちごつみをしたり、
雲南省ではトンパ文字を現地の学者っぽい人に教えてもらうかたわら結婚式にまぎれこんだり・・・
旅する国は多くはないが、心豊かな気持ちになる旅行記である。
文中から、引用をひとつ。
心中を美化するのは日本人と雲南省の納西族だけらしい。納西族は革命以前は恋愛は自由だが、結婚は親が決めたため、引き離された恋人は冬山で「赤い紐」で互いを結んで心中することがよくあったとのことだ。
星野知子 「食べるが勝ち!」(講談社文庫)
女優の星野知子さんのシリア、中国、パラグアイなどなどへの旅行記、食物記である。
星野さんといえば、サイト管理人若かりしとき、NHKの朝ドラ「なっちゃんの写真館」で颯爽とデビューされた美人女優さんである。
最近は美術関係のTVの司会やキャスターなんかもされているので、うーん、また小難しい理屈や教養がやたら溢れ出して、ちょっと迷惑な旅行記かなー、と思って読みはじめたが、管理人の見込み違い。
屋台の食べ物には異常に執着しているし、異国で焼いたシシャモに感動したり、身近に楽しめる旅行記でした。スイマセン。
収録は「ラマダンの食べないシリア」「酸素をいただく青海省(中国)」「パラグアイの腹具合は?」「おあずけのインド」「何もない冬のアイスランド」「おいしいところちょっとずつ」の6篇。
ラマダンの時のシリアの夕暮れは、日没とともに食事をするために仕事を終わらせようとする人や家路を急ぐ人などで町が渋滞し、殺気立ち、皆目が据わっている。ところが日が暮れると皆が食事をするためにひっそりと人通りもなくなり、まるで戒厳令がしかれているようだ。
とか
パラグアイの野菜は中国人と日本人がつくったので、見た目も味も日本と同じ
とか
日本人は食事をしながら食べ物の話をする、といってアイスランドの人に不思議がられたり(世界一味覚音痴といわれるオランダ人の食卓での話は「サッカー」だそうだ。してみると日本人ってのは、食べること大好きな国民なのかも)
冷凍のタイガーエビの頭が養殖されている現地(ネグロス島)で処理したその日に売り出される。現地の人は頭の塩焼きにしたり炒めたり。ひょっとしたら身を食べている日本人より現地の人のほうがエビの旨いところを食べているのでは
などなど。
旅行記だけでなく食べある記としても楽しめます。
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